スポーツに関わる人達のスポーツ教育と生活を応援する NPO法人JCP

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スポシズム
「スポシズム」とは「スポーツ」「市民(citizen)」「主義主張の(izm)」をあわせた造語、
スポーツと市民のかかわりをもっとよくするために考えたものです。
NPO法人JCPでは「スポーツが持つ教育力で、日本を変える!」をコンセプトとし
スポーツを楽しむ市民の増加市民の「心・技・体」を整え、人間力を高めることの
支援そして地域密着のコーチ陣の指導及び啓蒙啓発を目的とした団体です。



現在、アスリートのキャリアカウンセリングの任に就かれて、トップアスリートのキャリア支援を
なされております財団法人日本オリンピック委員会JOCキャリアアカデミー事業のディレクター
八田茂様と対談をいたしました。
アスリートにとって大切な競技生活、セカンドキャリア!!それらを充実させるために
欠かせない存在、キャリアカウンセリング!!
キャリアカウンセリングという言葉が、より多くの人の心に届く日はそう遠くはないはずです。

(インタビュー記事をPDFで見たい方はこちらから)

 

財団法人 日本オリンピック委員会
ナショナルトレーニングセンター本部
JOCキャリアアカデミー事業
ディレクター 八田茂様
×NPO法人JCP理事 稲生豊

◆八田茂氏 プロフィール
株式会社リクルートにて、採用、社員教育のコンサルティング、新規事業企画などに長年従事。
2001年Jリーグのキャリアサポートセンターの立ち上げ責任者として、出向。
2002年に独立して以来、「プロスポーツ選手の引退後のキャリア選択支援」という日本初のテーマに取り組む。
他のプロスポーツ競技団体のセカンドキャリア事情にも精通。日本サッカー協会レフェリーカレッジ講師。
キャリアカウンセラー。JOCキャリアアカデミーが設立され、ディレクターに就任。


(参考サイト)
財団法人 日本オリンピック委員会
http://www.joc.or.jp
JOCキャリアアカデミー
http://www.joc-athlete.jp/

キャリアカウンセリングの軌跡


稲生
私は企業で人事部にいた時がございまして、カウンセリングに興味を持っております。
JOCにおけるキャリアカウンセリングの経緯とこれからについてお伺いしたいと思います。


八田様
JOCにおけるカウンセリングは、私共、キャリアアカデミーが一手に担当しております。
2008年4月1日のNTCオープンに合わせて、我々のセクションは発足しましたが、それよりも少し前から
私と女性1名は仕事を始めておりました。キャリアアカデミーの組織ができ、その中でキャリアカウンセリングを
担当するスタッフが配置されました。
キャリアアカデミーは、数年前から定期的に、プロジェクトのような形で活動しておりました。
アスリート向けのハローワーク的な部分とアスリート向けの進路指導、引退後のキャリアサポート、
現役時代から引退後を見据えたキャリアサポートを軸として考えております。


稲生
ありがとうございます。キャリアカウンセリングを希望される方は、男性、女性、どちらが多いのでしょうか?


八田様
女性が多いです。具体的に聞かれることとしては、“引退後何をしたら良いのか?”
“現役時代に勉強したいが、どうしたら良いのか?”、“競技者として、周囲の人との人間関係について”
ですかね。悩みを持つ人の個別相談のような感じですね。
現在は、現役選手に対してのアプローチが中心です。引退後の選手との相談も少しずつ増えていますが、
今後は現役選手と引退後の選手の交流会なども含めグループカウンセリングのような仕組みも
考えていきたいですね。


稲生
そうですか。今はキャリアアカデミーがありますが、できる前はどちらに相談していたのでしょうか?


八田様
そうですね。先輩やマネージャーではないかと思います。あとは、学生時代の恩師でしょうか?
チームスポーツの場合は、マネージャーの存在は特に大きかったのではないでしょうか。

稲生
マネージャーですか?確かにマネージャーの役割は重要ですからね。
この他にも、NTCの中でキャリア支援ができた経緯はございますか?


八田様
現在、企業スポーツは右肩下がりの状態です。このことにより、オリンピックに出場した選手であっても、
引退後企業に残って仕事が出来るケースが少なくなっています。選手がその企業に残れないだけでなく、
新しい職場を探すことも困難な場合もあります。ですので、選手の引退後のキャリアサポートをしようと
いう意図もあったと思います。


稲生
スポーツ界では、Jリーグがキャリアカウンセリングを早くから行っていたかと思います。


八田様
はい。Jリーグのキャリアカウンセリングは何年も続いています。野球も数年前から始まっていますよ。
野球はOB会が母体となりリーグとタイアップして、球団職員だった方がスタッフとなってキャリアカウンセリングも
行っているようです。あとは競輪もサイクリストキャリアサポートセンターを設立して活動されていますね。


キャリアカウンセリングの重要性


稲生
先程もお伝えしましたが、私は以前人事部に所属しておりました。社員研修は色々あるのですが、
一番重要なものは、新入社員研修、入社前研修でした。キャリアアカデミーでは現役選手、
強化指定選手に重きを置かれていらっしゃいます。強化指定選手として指定された当初に、
キャリアカウンセリングをなされることを考えられたことなどはございますか。


八田様
現状では、そのような節目に行っていくのは難しいと思っております。何年か行っていく上で、
キャリアカウンセリングの必要性、重要性を認知してもらうことが重要になるのではないでしょうか?
オーストラリア、アメリカは、早くから色々なことに取り組んでおります。オーストラリアでは、キャリア
カウンセリングを行っているセンターに選手が始めて訪問した場合、そこで必ず一度カウンセリングを
受けるようです。そこでチェックされ、カウンセラーとその組織がアセスメントし、必要なプログラムを
サジェスチョンします。そして、サジェスチョンされたことに選手が取り組むというわけです。
このようなことをできる状況にすることが、当面のゴールでしょう。
でも、それをやるには、それなりのカウンセリングパワーを用意しなければなりませんし、
また競技団体との合意形成も必要になってきます。


稲生
オリンピック選手は、国の財産ではないかと思っております。今、スポーツ界には暗いニュースが多いのですが、
それを防ぐためにもカウンセリングは重要になるはずです。


八田様
そうですね。今できて1年・・・このような活動をしてきましたが、あと2〜3年はキャリアカウンセリングを
広めることが大切になると思います。以前、普及活動をしていた時、監督の方々が集まる会議が
あったのです。「JOCのセカンドキャリアプロジェクトの取り組み」と題してキャリアカウンセリングに対して
お話をしたのですが、ある監督様がおっしゃられたことが印象に残りました。
そのスポーツ界では、プロ化が珍しくないのですが、新しくプロ化した選手に対して、企業の新人研修のような
ものを行って欲しいとのお話でした。プロ化した選手になると、社員選手としてその企業に戻ることがありません。
競技を辞めることはセカンドキャリアを受け止める時期になります。ですので、
選手に「プロ化することはどういうことなのか?」、「どのようなことに気をつけていかなければならないのか?」
などを啓蒙、ケアして欲しいと・・・確かに、
このような時期は非常に大切なときに違いありません。


稲生
切り替えの時期です。雇用形態で云うなら、労働者から一経営者になることですから。

八田様
そのような節目に何かできればと考えておりますが、やはり、キャリアカウンセリングを認知して頂くことが
重要になるのではないかと思います。現役の節目、セカンドキャリア、引退後のキャリアサポートは
重視していきたいと思っております。また、自分でスポンサーを探さなければならないオリンピック選手も
いらっしゃいます。このことも、今後重要なテーマになってくるはずです。現役アスリートをサポートする枠組みを
作ることができないかなとも考えております。


稲生
そうなると、キャリアアカデミーが選手のロングレンジでのキャリアq支援の役を担う時代が来るといっても
過言ではないかもしれませんね。話は変わりますが、コーチのキャリアカウンセリングについてはどのように
お考えですか?

八田様
この点に関しては、我々も取り組んでいく必要があると思っております。現在、コーチの雇用環境は
厳しい状況です。雇用環境が厳しいと、たとえコーチの指導力が高いとしても、選手に良い指導をすることは
難しいと思います。私どもは選手のサポートではありますが、
コーチの相談にも耳を傾ける必要はあると考えております。


稲生
コーチのキャリアカウンセリングには、ご本人のキャリアとコーチングスキル向上を主眼としているようですが、
コミュニケーションスキルや技術を伝達するような能力の向上も大切なのではないかなと思うのですが・・・


八田様
私たちは、造語ですが「キャリアコーチング」と言っております。コーチが選手に対してコーチングするとでも
言えば良いのでしょうか?別の言葉で申し上げますと、「高校生ならどの大学へ行ったら良いか?
大学生ならどの実業団に行ったら良いか?」を考える際、「こういう視点で考えたら?」とか
「こういう選択肢があるよ!!」とか。こういったことを選手とコミュニケーションできる人が 、
キャリアコーチングスキルがある人ではないかなと。このスキルのある人を増やしていきたいですね!!
指導を通じて、選手のコミュニケーションスキルを上げることができれば、それが選手を辞めた後の
セカンドキャリアの武器になるはずです。


稲生
将来的には、キャリアアカデミーとして取り組んでいくことをお考えのようですね。


八田様
現在、キャリアアカデミー、エリートアカデミー、ナショナルコーチアカデミーがありますが、
ナショナルコーチアカデミーとタイアップしながら取り組んでいければと思っております。


東京オリンピック・パラリンピック誘致について


稲生
最後になりますが、東京オリンピック・パラリンピック誘致についてお伺いしたいのですが。


八田様
オリンピック委員会の一セクションに携わっている者として、誘致活動は成功して欲しいと思っております。
東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるということは、今後益々市民のスポーツ全般への興味関心が
高まるわけです。私たちと関わりのあるコーチ・選手が、オリンピック・パラリンピックという媒介を通じて、
市民とコミュニケーションをするケースが増えます。私たちの観点からすると、このような機会はコーチ・選手の
社会性を育む大きなきっかけになります。このようなためにも、是非とも誘致が成功して欲しいですね。

 

取材を終えて
このキャリアカウンセリングというコミュニケーションこそ、これからの日本にとって不可欠なものではないかと思いました。
スポーツの世界だけでなく、ビジネスの世界でも重要な役割を担うのではないでしょうか?“キャリアカウンセリング”
という言葉こそ、より良い人生を送るための“キーワード”になるのではないでしょうか?
人の琴線に触れるメッセージかもしれません・・・

   
 
(聞き手)稲生 豊プロフィール (NPO法人JCP理事) 
1971年埼玉県生まれ  大手流通業、上場会社総務部長を経て
本業では現在「人的価値の向上が企業価値の向上を図る」の
理念のもと、独立し「改善屋本舗」の名称にて活動。

(参考サイト)
NPO法人JCP スポーツに関わる人達のスポーツ教育と生活を応援する
NPO法人JCP(内閣府認証・社会教育団体)
http://www.npo-jcp.org/

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